10月5日(月)、八幡浜市仲之町『ハーバープラザホテル』にてNBC災害対応訓練が実施されました。営業中のホテルを会場とした訓練は、四国では初めてのことです。 訓練には、ハーバープラザホテル従業員をはじめ新町商店街、県警本部、八幡浜警察署、管内の医療関係者が参加しました。
訓練開始
会議室に不審者が侵入、液体がばら撒かれ負傷者が多数発生!!
『会議室に不審者が侵入し、液体がばら撒かれ負傷者が多数あり』との想定の下、消防本部から特殊災害機動部隊を中心に指揮隊をはじめ消防隊、救急隊が出動しました。
現場到着 〜各隊の到着の様子〜

指揮隊

特殊災害機動部隊

消防隊

救急隊
【部隊の活動内容】
- 指揮隊:情報収集、指揮本部設置、下命
- 特災隊:防護衣着装、救出及び搬送、一次トリアージ、除染
- 消防隊:現場広報、消防警戒区域設定、ゾーニング
- 救急隊:除染、二次トリアージ、救命処置
進入〜救出及び搬送

建物内へ進入

救急隊
陽圧式化学防護服を着装した隊員がホテル内へと進入し、負傷者の救出にあたります。
一次トリアージ

一次トリアージの様子
会議室から玄関付近まで搬送された負傷者について一次トリアージを実施し、建物外で待機する隊に引き継ぎます。
※一次トリアージ
自力歩行の可否、汚染の有無、除染の要否についての判断をします。
除染活動

除染の様子
一次トリアージの結果、汚染(衣服や皮膚に薬剤が付着している状態)が確認された負傷者については、その負傷者の状態に応じて乾的または水的除染を実施します。
※ 除染とは、衣服や皮膚に付着した有害な物質を落とすことで、脱衣による乾的除染やシャワーで洗い流す水的除染の方法があります。
二次トリアージ及び救命処置

救急隊による二次トリアージ

発災現場近くの内科医師による救命処置
除染を終えた負傷者は救急隊、医療従事者が二次トリアージ及び救命処置を行い、緊急度に応じて各医療機関へと救急搬送されていきます。
※ 二次トリアージ
負傷者の状態(意識、呼吸、脈拍、負傷部位等)を判断し、緊急度に応じて色分けしたタッグを負傷者に付けます。
退出〜訓練終了

除染の様子1

除染の様子2
救出活動及び再検索を終えた隊員は汚染が拡大しないように専用のテントにてシャワーを使用し水滴除染を実施しています。右の写真(青色、銀色の防護衣)は県警機動隊で、薬剤の検出、回収を終え、除染テントへと入ります。
訓練検討会 〜連携強化を図るために〜
10月19日(月)、当消防本部3階大会議室において、今回実施されたNBC災害対応訓練の検討会が行われました。当消防本部の訓練参加隊員をはじめホテル関係者、八幡浜警察署員が参加し、訓練の反省、検討事項を話し合い、
「ホテル利用者への避難誘導対策」
「消防隊員の活動時間管理、体力消耗、ストレス軽減」
「関係機関との連携と任務分担の明確化」
などの意見が活発に交換がされました。
今後もこのような訓練を通して各関係機関との連携を図り、防災の絆をより一層深めていきたいと思います。
おわりに
訓練に際しては、ハーバープラザホテル関係者、各関係機関の皆さまのご協力を頂きまして誠にありがとうございました。また付近住民の皆さまには日中の訓練となり、大変ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。
今後とも消防業務に対しまして皆さまのご理解とご協力をよろしくお願いします。